- Vol.03
「早い」?「速い」?
早く起きなさい! 早く顔を洗いなさい! 早くご飯を食べて早く学校へ行きなさい!
どこの家庭でも子供たちは毎朝こんなことを言われているのではないでしょうか。
学校へ行けば… 早く集まりなさい!家へ帰れば…早く寝なさい!
日本人は子供のころから「早くしなさい」を連呼されて育ちます。
話は変わりますが、人間が動物として最も優先する行動は生命保持のための行動です。
代表的なものは食料獲得の行動であり、そのためには他に先んじて食料のある場所へたどり着かなければなりません。
すなわち他者より先行し生存競争を勝ち抜くことを、私たちの祖先は永い間繰り返してきたのです。したがって現代に生きる私たちも、遺伝的にこの「先急ぎのメカニズム」を体に受け継いでいるのです。
しかしながら道路交通法を見てみると…
赤信号は止まりなさい! 一時停止は確実に! 制限速度は超えてはならない!
どれをとっても「遅くとも確実な行動」を要求しています。
「こんなの守っちゃいられない」という遺伝子の声におされぎみな運転者も見うけられますが、もう一度考え直してみてください。
現代は食料獲得のために他に先行する時代ではありません。ゆとりこそが最高の贅沢という時代ではないでしょうか。
二足歩行の起源を辿ると300万年以上前といわれています。歩行する人間には有効だった先急ぎの心理状態も、現代交通社会では逆に生命保持に最も有害といえます。
さてこのコラムの最初に目を転じてみてください。行動は「早く」であって、決して「速く」ではないのです。「早く」はタイミングを、「速く」はスピードを意味します。
遺伝子の命令に逆らわず安全に運転するためには、「速くではなしに早く確実な操作での運転」が良いのです。早く出発することで、運転中のゆとりと早目の到着を両立できるのですから。
ゆとりのある行動をしましょう。


